交流重賞はJRA勢と地方勢のどちらが強い?ダートグレード競走の所属別の成績

「交流重賞では、JRAの馬と地方の馬のどちらが勝っているのか」「同じ人気なら差はあるのか」と気になっている方に向けて、このページでは、地方の競馬場で行われた交流重賞(ダートグレード競走)を、JRA所属の馬と地方所属の馬に分けて数えました。
結論から言うと、2021年6月から5年間(結果を集計できた213レース)、地方の競馬場で行われた交流重賞で、多く勝っているのはJRA(日本中央競馬会)所属の馬です。JRA所属の馬は出走の40.7%でしたが、勝ったのは185レース(86.9%)でした。人気もJRA所属の馬に集まっていて、1番人気の94.4%がJRA所属です。
勝率をそのまま比べると、JRA所属17.8%・地方所属1.9%で、差は約16%です。ただし、人気を細かくそろえて比べるほど差は小さくなり、単勝オッズから見込む勝率が近い馬どうしでは、残る差があるとは言い切れません。JRA所属の馬の勝ちやすさは、その大部分が、すでに人気(ファンの評価)に出ています。
中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠでは、2017年以降(22レース)、地方所属の馬は延べ25頭が出走し、1着は0頭でした。
※この記事の集計は、地方競馬のレースを対象にしています(中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠの節だけ、中央競馬(JRA)のレースです)。
この記事は、中央競馬と地方競馬のAIの予想指数をレースの前日に公開している、競馬AIナビの運営者が書いています。ここでは、JRA所属の馬と地方所属の馬が同じレースを走る交流重賞で、どちらがどれだけ勝っているかを、公式の決まりと実際のレースの数字で確かめます。
- 対象:地方の競馬場で行われたダートグレード競走のうち、結果を集計できた213レース(JpnⅠ・GⅠ 58レース、JpnⅡ 56レース、JpnⅢ 99レース)で、単勝人気が付いた馬(出走取消と競走除外を除く)
- 期間:2021年6月から5年間(213レース・延べ2,551頭)
- 所属:そのレースの日の所属(中央から地方へ移った馬は地方所属に、地方から中央へ移った馬はJRA所属に入ります)
- データ:地方競馬のレースを、当サイトが独自に集計。中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠの節は、JRA(日本中央競馬会)のレースを、当サイトが独自に集計(2017年以降・22レース)
交流重賞(ダートグレード競走)とは?JpnⅠとGⅠの違い

交流重賞は、JRA(日本中央競馬会)に所属する馬と地方競馬に所属する馬が、同じレースで走れるダートの重賞です。地方競馬全国協会のダートグレード競走の特設サイトの解説では、中央と地方の交流が進むなかで、「地方競馬で行われていた主要重賞競走に中央馬が出走できるようになり、また中央のダート重賞に地方馬が出走できるようになった」と説明されています。そのうえで「そして97年度、中央と地方のダート交流重賞に共通の格付けが行われ、“ダートグレード競走”となった」とされています。この記事では、交流重賞とダートグレード競走を同じ意味で使います。
ダートグレード競走は、地方の競馬場でもJRAの競馬場でも行われます。地方競馬全国協会の2026年の年間レース一覧には61レースが載っていて、そのうち46レースは地方の競馬場、15レースはJRAの競馬場で行われます。この記事で数えたのは、地方の競馬場で行われたレースです。
JpnⅠとは?GⅠとの違い
JRAの競馬用語辞典では、GⅠを「競走体系上もっとも重要な意義をもつ根幹競走」と説明しています。同じ辞典では、「なお、2007年には日本のパートⅠ昇格に伴い、平地競走については、国際格付けを持つ競走をGⅠ、GⅡ、GⅢと表記し、それ以外の競走をJpnⅠ、JpnⅡ、JpnⅢと表記するようになった」とされています。国際格付けを持たない競走では、いちばん上の格をJpnⅠと書きます。
地方の競馬場で行うダートグレード競走で、Gが付くのは東京大賞典(GⅠ)だけです。地方競馬全国協会の特設サイトでは、東京大賞典は「2011年から地方競馬の競走として初めて国際GI格付けを取得し」たと書かれています。帝王賞やJBCなど、ほかの地方の競馬場のレースは、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢです。

JRA勢と地方勢、勝っているのはどちら?(所属別の成績)

地方の競馬場で行われ、結果を集計できた交流重賞213レースで、出走した延べ2,551頭と勝ったレースの数を、所属で分けて表にまとめました。
| 所属 | 出走(延べ) | 勝ったレース |
|---|---|---|
| JRA所属 | 1,038頭(40.7%) | 185レース(86.9%) |
| 地方所属 | 1,513頭 | 28レース |
JRA所属の馬の勝ち星の割合(すべてのレースの勝ち馬のうち、JRA所属の馬が占めた割合)は、出走の割合の約2.1倍にあたります。

次は、1頭あたりの成績です。勝率(出走した馬のうち、勝った馬の割合)を所属で比べると、JRA所属の馬が地方所属の馬を大きく上回りました。
| 所属 | 勝率(誤差の範囲) | 3着以内に入った割合 |
|---|---|---|
| JRA所属 | 17.8%(15.6〜20.3%) | 49.2% |
| 地方所属 | 1.9%(1.3〜2.7%) | 8.5% |
| 差 | 約16%(13.6〜18.5%) | — |
1〜3着の3頭がすべてJRA所属だったレースは、213レースのうち106レース(49.8%)ありました。
ここで比べているのは、交流重賞に出てきた馬どうしです。地方所属の側は地方の中から選ばれて出てきた馬、JRA所属の側は地方へ遠征してきた馬で、どちらも選ばれた馬です。地方の馬全体とJRAの馬全体の力の差を比べた数字とは別のものです。
JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢで差は変わる?
格ごとに分けても、JRA所属の勝ち星の割合は大きくは変わりません。格ごとの数字を表にまとめました。
| 格 | レース数 | JRA所属の勝ち星の割合 | 勝率(JRA所属) | 勝率(地方所属) |
|---|---|---|---|---|
| JpnⅠ・GⅠ | 58 | 87.9% | 14.9% | 1.7% |
| JpnⅡ | 56 | 87.5% | 19.2% | 1.7% |
| JpnⅢ | 99 | 85.9% | 19.3% | 2.0% |

出走に占めるJRA所属の馬の割合は、JpnⅠ・GⅠがいちばん高くなっています。
- JpnⅠ・GⅠ:45.9%
- JpnⅡ:38.8%
- JpnⅢ:38.4%
年や距離で分けると?
年や距離で分けても、多く勝っているのはJRA所属の馬です。丸1年がそろう2022〜2025年の、JRA所属の勝ち星の割合を年ごとに表にまとめました。
| 年 | JRA所属の勝ち星の割合 |
|---|---|
| 2022年 | 87.5% |
| 2023年 | 90.0% |
| 2024年 | 84.1% |
| 2025年 | 89.1% |
2024年から3歳と古馬のダートの競走の体系が変わりました(2歳は2023年から)。この体系が変わる前の2023年までは85.7%(105レース)、変わった後の2024年からは88.0%(108レース)でした。2つの期間の違いは誤差の範囲に入り、差があるとは言い切れません。
次の表は、距離ごとのJRA所属の勝ち星の割合です。
| 距離 | JRA所属の勝ち星の割合 |
|---|---|
| 1400m以下 | 80.3% |
| 1500〜1799m | 87.1% |
| 1800m以上 | 90.1% |
勝ち星の割合は、出走に占めるJRA所属の馬の割合(1400m以下で38.6%、1800m以上で41.5%)にも左右されます。年と距離のほか、競馬場ごとや年齢の条件ごとにも分けて集計しました。どの分け方でも、JRA所属の勝率が地方所属を上回っています(分けるとレースの数が少なくなるので、どれも参考の数字です)。
同じ人気どうしで比べても差はある?(人気をそろえた比較)

JRA所属の馬には人気が集まります。1番人気の94.4%(213頭のうち201頭)がJRA所属で、反対に、地方所属の馬の77.6%は7番人気以下でした。そこで、同じくらいの人気の馬どうしなら、所属で勝率に差があるのかを確かめます。
単勝の人気を「1番人気」「2〜3番人気」「4〜6番人気」「7番人気以下」の4つの帯に分け、同じ帯どうしで勝率を比べました。

- 1番人気:JRA所属41.3%・地方所属16.7%(地方所属の1番人気は12頭だけ)
- 2〜3番人気:JRA所属19.5%・地方所属14.3%
- 4〜6番人気:JRA所属7.1%・地方所属3.7%
- 7番人気以下:JRA所属4.0%・地方所属0.7%
どの帯でもJRA所属の勝率のほうが高いものの、帯ごとに見ると、7番人気以下を除く3つの帯は、差が誤差の範囲に入ります(1番人気の帯は、地方所属の馬が12頭だけです)。4つの帯ごとの差を、両方の所属の頭数が多い帯ほど重く見てまとめると、人気帯をそろえた勝率の差は4.4%で、誤差の範囲(95%の幅)は1.7〜7.2%です。そのまま比べた約16%から大きく縮みます。
ただし、同じ帯の中でも、JRA所属の馬のほうが上の人気に寄っています。差が誤差の範囲の外にある7番人気以下の帯は人気の幅が広く、JRA所属の馬は帯の上のほうに集まっています。4〜6番人気の帯でも同じ傾向です。次の表は、この2つの帯の人気の平均です。
| 人気帯 | 人気の平均(JRA所属) | 人気の平均(地方所属) |
|---|---|---|
| 7番人気以下 | 7.86 | 9.98 |
| 4〜6番人気 | 4.76 | 5.32 |
そこで、もっと細かく分けて比べました。人気の順位でそろえる方法は、1番人気どうし、2番人気どうしのように、人気の順位が同じ馬どうしで比べます(両方の所属の馬がいる順位だけを使います)。
単勝オッズでそろえる方法は、単勝オッズから見込む勝率(単勝オッズの逆数を、そのレースの全頭の逆数の合計で割った値)で馬を9つの組に分け、同じ組の馬どうしで比べます。同じ人気の順位でも、レースによって単勝オッズから見込む勝率は違うので、この方法ではその違いまでそろえて比べます。
どちらも、組ごとの差は人気帯のときと同じやり方でまとめています。次の表は、そろえ方ごとの勝率の差です。
| そろえ方 | 勝率の差 | 誤差の範囲 |
|---|---|---|
| 人気の順位が同じ馬どうし | 3.3% | 0.4〜6.1% |
| 単勝オッズから見込む勝率が近い馬どうし | 1.6% | −1.3〜4.4% |
細かくそろえるほど差は小さくなります。オッズでそろえたときの誤差の範囲は、マイナス(地方所属のほうが勝率が高い側)からプラスまでにまたがるので、残る差があるとは言い切れません。
人気は、その日の単勝オッズの順で決まる、ファンの評価です。集計の結果、JRA所属の馬の勝ちやすさは、その大部分がすでにこの評価に表れていることが分かりました。
交流重賞の1番人気はどのくらい勝つ?
交流重賞の1番人気の勝率は39.9%(213レースのうち85勝)で、3着以内は76.1%でした。地方競馬全体の1番人気の勝率は、2021年6月から5年間(67,076レース)で44.3%です(地方競馬の1番人気が中央より勝ちやすい理由と、出走頭数の関係をまとめた記事)。
次の表は、交流重賞の1番人気の勝率を、地方のほかのレースと比べたものです。
| 比べたレース | 勝率 |
|---|---|
| 交流重賞(213レース) | 39.9%(誤差の範囲は33.6〜46.6%) |
| 地方競馬全体 | 44.3% |
| 交流重賞以外の地方のレース(出走頭数ごとのレースの割合を、交流重賞と同じにして計算) | 41.3% |
交流重賞はレースの数が少ないので誤差の範囲が広く、地方全体の勝率もこの中に入ります。出走頭数ごとのレースの割合をそろえた勝率とも近く、交流重賞の1番人気が地方全体より勝ちにくいとは言えません。1番人気が地方所属だったのは12レースで、回数が少ないので傾向は言えません。
「地方所属」にはもとJRAの馬も入る(所属の数え方)

地方所属の延べ1,513頭のうち668頭(44.2%)は、そのレースより前にJRA所属で中央を走った記録のある馬(この記事では「もとJRAの馬」と呼びます)でした。この記事の所属はそのレースの日の所属なので、中央から地方へ移った馬は、地方所属として数えています。
もとJRAの馬とそれ以外の地方所属の成績を表にまとめました。
| 地方所属の内訳 | 勝率 | 3着以内 |
|---|---|---|
| もとJRAの馬 | 2.7%(18勝) | 9.0% |
| それ以外の地方所属 | 1.2%(10勝) | 8.0% |
どちらも勝ち星が少ない(18勝・10勝)ので、この2つに差があるとは言い切れません。いずれも、JRA所属の17.8%とは大きく離れています。中央の記録は2017年以降の分だけを見ているので、それより前にだけ中央を走った馬は「それ以外」に入ります。

中央から地方へ移った馬の地方でのレースぶりは、中央から地方へ移った転入馬の成績をまとめた記事をご覧ください。そちらの「交流参戦」(中央のレースを走ったあと、JRA所属のまま地方の交流競走へ出た馬)の地方での1走の勝率14.0%は、格を問わない交流競走での数字で、この記事のダートグレード競走だけの数字とは数えた範囲が違います。
大きなレースの1着の記録(JBC・帝王賞・東京大賞典など)

大きなレースは回数が少ないので、傾向は言えません。ここでは、1着の所属の記録だけを並べます。

JBC(年によって開催地が変わる)
JBCは、地方競馬全国協会のJBCの特設サイトによると「2001年にクラシック・スプリントの2レースで」始まり、その後レディスクラシックと2歳優駿が加わりました。年によって行われる競馬場が変わり、2018年にはJRAの京都競馬場で行われています。2026年は金沢競馬場で行われます(JBC2歳優駿は門別競馬場)。
2021年から2025年の5年間に、金沢・盛岡・大井・佐賀・船橋で行われたJBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシックの15レースで、1着はJRA所属が12回、地方所属が3回(2021年のJBCクラシック、2023年と2025年のJBCスプリント)でした。
大井2000mの帝王賞と東京大賞典
東京大賞典(GⅠ)は12月29日、帝王賞(JpnⅠ)は6月末から7月初めに、どちらも大井競馬場のダート2000mで行われます。2021年から2025年の帝王賞と東京大賞典の10レースで、1着はJRA所属が9回、地方所属が1回(2025年の東京大賞典)でした。大井競馬場の2000mは、2021年6月から5年間で134レース(大井のレースの2.3%)と、大井では数の少ない距離です。コースの特徴は、大井競馬場のコースの特徴と枠・脚質の傾向をまとめた記事をご覧ください。
3歳ダート三冠(2024年から)
地方競馬全国協会の報告書によると、JRAと地方競馬が共同で新しいダートの競走の体系を整え、2024年から「3歳ダート三冠競走を創設」しました。羽田盃と東京ダービーはこの年からダートグレード競走(JpnⅠ)になり、ジャパンダートダービーは名前と時期を変えて、ジャパンダートクラシックになりました。丸1年がそろう2024年と2025年の羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシックの6レースでは、6回ともJRA所属の馬が1着でした。名前を変える前のジャパンダートダービーは、2021〜2023年の3レースのうち、2021年と2023年の2レースで地方所属の馬が1着でした。
中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠに出た地方所属の馬
中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠ(GⅠのフェブラリーステークス・チャンピオンズカップと、2018年に京都競馬場で行われたJpnⅠのJBC 3レース)では、2017年以降の22レースで、地方所属の馬が延べ25頭出走しています。1着は0頭、3着以内は1頭(2018年のJBCスプリントの3着)でした。2021年6月からの5年間に限ると、地方所属の馬は延べ9頭で、3着以内はありませんでした。中央で行うダートのGⅠの週は、中央競馬(JRA)の予想指数をご覧ください。
交流重賞の日に予想指数を見るには

交流重賞の日も、地方の予想指数のページには、出走する全頭の指数が出ます。2026年10月7日の大井11R(ジャパンダートクラシック・JpnⅠ)では、16頭すべてに指数が出ていました。指数のページには所属の欄が無いので、JRA所属か地方所属かは、出馬表で確かめてください。
地方の予想指数は、開催日の前日の夕方に公開しています。地方競馬の予想指数のトップページでは、計算について「いずれもレースの前日時点で分かる情報だけで計算し、当日のオッズや結果は使いません」と説明しています。この記事で見た人気は当日のオッズで決まるので、予想指数とは別の物差しです。
交流重賞の所属別の数字を知って、地方競馬の予想指数を使ってみましょう!
この記事の要点をまとめます。
- 2021年6月から5年間(結果を集計できた213レース)の交流重賞で、JRA所属の馬は出走の40.7%、勝ち星の86.9%
- 勝率はJRA所属17.8%・地方所属1.9%で、差は約16%
- 1番人気の94.4%がJRA所属
- 同じ人気帯どうしの勝率の差(帯ごとの差をまとめた値)は4.4%まで縮み、単勝オッズでそろえると、残る差があるとは言い切れない(JRA所属の馬の勝ちやすさは、大部分がすでに人気に出ている)
- 地方所属の出走の44.2%は、そのレースより前にJRA所属で中央を走った記録のある馬(中央の記録は2017年以降)
- 中央で行うダートのGⅠ・JpnⅠでは、2017年以降の22レースで、地方所属の馬の1着は0頭
今日・明日のレースの指数は、地方競馬の予想指数(ばんえい競馬を除く14場・開催日の前日に公開)でご覧ください。中央で行うダートのGⅠの週は、中央競馬(JRA)の予想指数も公開しています。
当サイトでは、このようなデータ分析を基に、全レース・全馬の能力や期待値を指数化し、開催日の前日の夕方に無料で公開しています。
よろしければ日々の競馬予想の参考にご覧ください!
地方競馬14場の全レース・全頭の指数を、予想勝率や適正オッズとあわせて前日に無料公開しています!>>>

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Contents
競馬初心者に向けた基礎知識の解説から、中央競馬(JRA)の競馬場ごとの特徴、そして過去のレースを統計で集計したデータ分析を紹介。
さらに独自の競馬AIを自作するためのノウハウについても解説します。

