「同一厩舎の2頭出しは人気薄を狙え」の格言は正しい?ねらい目のケースと危険なケース

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「同一厩舎の2頭出しは人気薄を狙え」の格言は正しいのか

競馬には様々な格言があります。その中の「同一厩舎の2頭だし(多頭出し)は人気薄を狙え」。

格言として長年語られているということは、実際にそのような傾向がみられる可能性があります。

また、そもそも同一厩舎から多頭出しを行うということは、少なくとも自分以外の1頭の馬がどのような作戦でレースを運ぶのかを把握した状態で、調教師は戦略を立てることができます。

もちろん、海外の競馬のようにラビットとなる馬を用意することは日本の競馬では明確に禁止されています。

しかしラビットではなくきちんと勝ちを狙いに行く競馬を行う場合であっても、他厩舎の馬に比べて出走馬に関する情報が多くなるため、有利にレースを運べることが多くなるであろうことは想像できます

そこで、今回はこちらの格言がデータ上も正しいのか、調べてみましょう。

多頭出しの有無にかかわらず穴馬の方が期待値が高い

まず、多頭出しか否かに関わらず、全馬の人気順の回収率を見てみます。

人気順ごとの期待値

このグラフでも分かる通り、上位人気馬よりも5,6番人気前後の馬の方が回収率が高くなっています。

そのため、多頭出しか否かに関わらず、そもそも人気薄の馬の方が期待値が高い、という事実は念頭に置いておく必要があります。

多頭出しの場合、人気薄の方が回収率が高い

それでは、同一厩舎が同一レースに2頭以上出走している場合に限定して調べてみます。

次のグラフは、多頭出しをしている厩舎の馬について、同一厩舎内での人気順に並べた際のデータです。

同一厩舎内の人気順ごとの期待値

格言通り、同一厩舎内で最も人気の馬より、人気薄の馬の方が高期待値となっています。

同一厩舎内1番人気の馬については、相対的には回収率が低くなっているものの、ほぼ80%となっており減点が必要な程ではありません。

分析結果の傾向
  • 同一厩舎内では人気薄(穴馬)の方が期待値が高い
  • 上位人気馬は相対的には期待値が低いが、マイナス評価を与えるほど低い値ではない

オッズ帯ごとに調べることで新たな傾向が見えてくる

「同一厩舎の2頭出しは人気薄を狙え」という格言は基本的な傾向としては正しいことがわかりました。

ここでさらに掘り下げて、次の事項を調べてみましょう

  • 上位人気馬が高期待値となる条件はあるか
  • 人気薄の馬でも避けるべき条件はあるか

同一厩舎内の最上位人気馬:1番人気であれば高期待値

まずは上位人気馬について調べてみます。

次のグラフは、同一厩舎内で最も人気な馬の単勝オッズ別の回収率です。

厩舎内1人気馬のオッズごとの期待値

オッズが低い=レース全体でも上位人気の場合に回収率が高くなっています。

特に、3倍以下のオッズ帯、つまりはレース全体で見ても最上位の人気馬は高い回収率となっていることがわかります。

分析結果の傾向
  • レース全体でも最上位の人気(オッズが3倍以下)であれば、期待値は高い
  • 厩舎内1番人気であっても、オッズが20倍以上の穴馬に当たる場合、期待値は低い

同一厩舎内の下位人気馬:極端な人気薄以外は高期待値

では次に、同一厩舎内での人気順が2番人気位以下の馬について、オッズごとの期待値を見てみましょう。

厩舎内下位人気馬のオッズごとの期待値

データとしてのばらつきが大きくはありますが、傾向を大局的に捉えると右肩下がりとなっていることがわかります。

分析結果の傾向
  • 同一厩舎内で人気薄の馬の期待値は、オッズと反比例の傾向にある
  • オッズが40倍を超えるような大穴馬の期待値は低くなる

同一厩舎の2頭出しは、人気馬・人気薄馬ともに狙えるケースがある

同一厩舎の2頭(多頭)出し時の期待値について調べてみました。

冒頭に記載の通り、多頭出ししている厩舎の馬は、自分以外の他馬の作戦や仕掛けどころを把握したうえでレースの作戦を立てられるため、その時点で優位性があります。

今回の分析結果を期待値の観点から総括すると、次の傾向があると考えられます。

分析結果の傾向
  • 大前提として、多頭出しの有無に関わらず穴馬の方が期待値は高い
  • 格言どおり、同一厩舎内では下位人気の馬ほど期待値が高い傾向がある
  • 同一厩舎内1番人気の馬は、レース全体でも最上位人気であれば期待値が高い
  • 同一厩舎内下位人気の馬は、全体的に期待値が高い傾向にあるが、大穴馬の場合の期待値は低い

もちろん、勝率で見れば上位人気馬の方が高くなりますが、長期的な期待値を考えるのであれば、上記の傾向を把握し馬券戦略を考えましょう!

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あぼかど
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回収率100%越えの独自の競馬指数を作成し、馬券の自動購入をしています。

大学で学んだ統計学の知識を基に過去のレースデータを分析し、独自指数の作成と、その指数を用いた購入対象の判定ロジックを5か月間かけて構築しました。
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