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AIの競馬予想は当たるのか|人気順の強さと、予想した確率の当たり具合(中央競馬)

KeibaAiNavi
記事タイトル「AIの競馬予想は当たるのか|人気順の強さと、予想した確率の当たり具合(中央競馬)」の文字と、晴れた秋の中央競馬のダートコースで内ラチ沿いに連なって駆ける競走馬たちの画像

「AIの競馬予想は本当に当たるのか」と気になっている方に向けて、このページでは、中央競馬のデータで「当たる」の中身を2つに分けて確かめました。

結論から言うと、3着以内に来る馬を上に並べる力では、人気順がすでに強い予想です。2021年6月から5年間(16,230レース)の中央競馬では、1番人気が3着以内に入ったのは64.7%で、3着以内に入る馬全体の割合(21.4%)の約3倍でした。1番人気の3着以内率は、年ごとに見ても大きくは変わりませんでした。前日の時点の情報で計算するAIが、当日の情報まで入った人気順を上回るのは簡単ではありません。

一方で、AIが出す「3着以内に入る確率」がどれだけ当たっているかは、別の物差しで確かめられます。当サイトの指数の検証の表(2025年8月以降・8頭立て以上)では、指数の帯ごとに、実際に3着以内に入った割合が、帯の真ん中の値から3%以内(35%なら32〜38%)に収まっていました。

そして、確率が当たることと、馬券の収支は別の話です。ここから見ていくのは、人気順の強さと、確率の当たり具合の2つです。

この記事は、中央競馬と地方競馬のAIの予想指数をレースの前日に公開している、競馬AIナビの運営者が書いています。当事者なので、当サイトの指数の数字にも、ほかの予想の数字を見るときと同じ確かめ方(後半で挙げる5点)を当てはめます。

  • 対象:中央競馬(JRA)の平地のレース(芝・ダート)で、出走取消・競走除外を除いて実際にゲートインした馬が8頭以上のレース
  • 期間:2021年6月から5年間(16,230レース)
  • データ:JRA(日本中央競馬会)のレースを、当サイトが独自に集計
  • 人気:レース確定時の単勝人気(最終オッズによる人気順)

「当たる」は2つに分けると答えられる

中央競馬の芝コースで、先頭の3頭と、少し離れて続く後ろの馬群を真横から描いた画像

「AIの予想は当たるのか」は、そのままだと答えにくい問いです。何を当てたら「当たった」と言えるのかが、人によって違うからです。

例えば「3着以内に入る馬を当てる」を考えてみます。2021年6月から5年間の中央競馬(平地・8頭立て以上)で、3着以内に入った馬は全体の21.4%、約4.7頭に1頭でした。つまり、どの馬にも「3着以内には来ない」と言うだけで、78.6%は当たることになります。的中率だけを見ても、予想のよしあしは分かりません。

そこで、この記事では「当たる」を、並べる力と確率の当たり具合の2つに分けて見ていきます。

  1. 並べる力:3着以内に来る馬を、来ない馬より上に並べられるか
  2. 確率の当たり具合:「3着以内に入る確率40%」と出した馬をたくさん集めると、実際に40%ぐらい3着以内に入っているか
「当たる」を2つの物差しに分けた図。左は、3着以内に来た馬と来なかった馬を上下に並べて比べる「並べる力」。右は、予想した確率と実際に3着以内に入った割合を比べる「確率の当たり具合」
「当たる」を2つの物差しに分ける

1つ目は、人気順やAIの予想が、上位の馬をどれだけ上に並べられているかを見る物差しです。2つ目は、AIが出した確率の数字そのものが、どれだけ信用できるかを見る物差しです。この2つは見ているものが違うので、片方がよくても、もう片方がよいとは限りません。

人気順はすでに強い予想|1番人気の3着以内率を年ごとに見る

晴れた日の中央競馬の芝コースで、内ラチ沿いを全力で駆ける1頭の競走馬を真横から寄りで描いた画像

まずは比べる相手である、人気順の強さを確かめます。2021年6月から5年間(16,230レース)の中央競馬で、1番人気が3着以内に入った割合は64.7%でした。集計したレースの数から見た割合のぶれの範囲(95%の幅)は、64.0〜65.4%です。

次のグラフは、5年間を1年ずつに分けた、1番人気の3着以内率です。

2021年6月から5年間を1年ずつに分けた、中央競馬の1番人気の3着以内率の棒グラフ。1年目64.7%、2年目63.8%、3年目65.0%、4年目64.5%、5年目65.6%。縦線は95%の幅
1番人気の3着以内率(1年ごと)

1年ごとの値は63.8〜65.6%の間にあり、年によって大きくは変わりませんでした。1番人気は、3回に2回近く3着以内に入っています。

「当たる」を2つに分けた章で見たとおり、3着以内に入る馬は全体で21.4%です。1番人気はその約3倍の割合で3着以内に入っていることになり、人気順だけでも上位の馬をかなりよく見分けていることが分かります。

並べる力で見ても、人気順は強い

1番人気だけでなく、人気順全体の並べる力も見てみます。ここでの並べる力は、同じレースの「3着以内に来た馬」と「3着以内に来なかった馬」を1頭ずつ組にして、人気が上の馬のほうが3着以内に入っていた組の割合です。でたらめに並べれば0.5、3着以内の馬をいつも上に並べられれば1になります。

2021年6月から5年間で、人気順の並べる力は0.803(95%の幅は0.801〜0.806)でした。3着以内に来た馬と来なかった馬を1頭ずつ選ぶと、約8割の組で、人気が上の馬のほうが3着以内に入っていた、ということです。1年ごとに見ても0.799〜0.809で、こちらも大きくは変わりませんでした。

2021年6月から5年間を1年ずつに分けた、中央競馬の人気順の並べる力のグラフ。縦の軸は0.5から1で、0.5はでたらめに並べたときの値。1年目0.801、2年目0.805、3年目0.802、4年目0.799、5年目0.809
人気順の並べる力(1年ごと)

※並べる力は、統計でAUCと呼ばれる数です。この記事では、同じレースの中の組だけで数えています。

障害レースを含める、新馬戦を除く、頭数の条件を外す、といった形で集計の条件を変えても、1番人気の3着以内率は64.5〜65.0%、並べる力は0.803〜0.804の範囲に収まり、値は大きくは動きませんでした。

なお、京都競馬場が改修で長く開催を休んでいたため(例えば1年目は京都のレースが0でした)、年によって開催された競馬場の組み合わせが違います。年ごとの値は実際の割合をそのまま示したもので、年による違いの原因までは分けていません。

年の区切り方を変えても同じかを見るため、集計の期間より前の年も含めて、年の初めから年末までの区切りでも集計しました。この区切りで見ても、値は大きくは変わりません。

暦年(年初〜年末)レース数1番人気の3着以内率人気順の並べる力
2017年3,28664.6%0.802
2018年3,27863.2%0.807
2019年3,26264.2%0.800
2020年3,27962.6%0.792
2021年3,26763.6%0.800
2022年3,26064.9%0.803
2023年3,26063.6%0.802
2024年3,23065.7%0.804
2025年3,23464.2%0.803

AIの予想が「当たらない」と感じるのはなぜか|人気順は当日の情報まで入っている

中央競馬の競馬場のスタンド前で、柵に寄って双眼鏡でコースの馬を見る来場者を斜め後ろから描いた画像

AIの予想が「当たらない」と感じる理由の1つは、確率で出す予想は、見込みが高くても外れることがある、という点です。3着以内に64.7%入る1番人気でも、3回に1回ほどは3着以内に入りません。もう1つの理由は、AIの予想と見比べる人気順が、とても強い予想だということです。

ここで比べている人気は、レースが確定したときの単勝人気、つまり締め切りの後の最終オッズによる人気順です。当日の馬体重やパドックの様子、馬場の状態まで見たうえで、たくさんの人が馬券を買った結果が人気順になっています。

一方、当サイトが前日に公開している予想指数は、前日の時点で分かる情報で計算し、当日の馬体重・当日のオッズ・当日の馬場は使っていません(オッズを使っていません)。

前日の時点の情報と当日の情報を2つの箱で比べた図。前日の予想指数は前日の時点の情報だけで計算し、レース確定時の人気順は前日の時点の情報に当日の情報まで加わっている
前日の指数と人気順で使える情報の違い

使える情報の量が違うので、同じ条件で比べているわけではありません。前日の時点で計算するAIが、当日の情報まで入った人気順を上回るのは簡単ではありません。もし大きく上回る数字が出てきたら、使った情報や期間などの計算の条件をまず確かめる必要があります。

その代わり、オッズを使っていない予想指数は、人気とは別の見方になります。指数の見込みと、前日の時点で見込まれる人気とのずれの読み方は、人気とのずれを表す期待値指数の解説記事でご紹介しています。前日の指数に入っていない当日の情報は、予想指数の欄ごとの読み方と、1レースで読む順番をまとめた記事で説明しています。

予想した確率はどれだけ当たっているか|当サイトの予想指数の例

中央競馬の芝コースで、ゴールを過ぎてゆっくり歩く数頭の競走馬と騎手を真横から描いた画像

2つ目の物差し、確率の当たり具合を見てみます。当サイトの予想指数には、3着以内に入る見込みを確率として表した指数(画面の表示は『能力指数』)があります。例えば40と出た馬をたくさん集めたとき、10頭あたり4頭ぐらいが3着以内に入っていれば、確率がよく当たっていると言えます。

当サイトでは、2025年8月以降の中央競馬(8頭立て以上)で、この指数を10ずつの帯に分け、帯の真ん中の値(例えば30〜39の帯なら35%)と、実際に3着以内に入った割合を比べた検証の表を公開しています。表にまとめた0〜9から70〜79までの8つの帯では、どの帯も、実際の割合が帯の真ん中の値から3%以内(35%なら32〜38%の間)に収まっていました。帯ごとの値は、3着以内に入る見込みを表す指数の解説記事に載せています。

確率の当たり具合がそろっているということは、指数が同じ帯の馬をまとめて見ると、その帯の真ん中の値に近い割合で3着以内に入っている、という意味です。

確率がそろっていると、その確率を当日のオッズと見比べる使い方ができます。例えば3着以内に入る確率が40%の馬なら、指数どおりの確率で、払戻率どおりに売れたときに付く複勝のオッズは、複勝の払戻率を確率で割った2.0倍(80÷40)です。確率がずれていると、この見比べ自体が成り立たなくなるので、確率の当たり具合は指数を使う前提になります。ただし、これは1つ目の物差し(並べる力)で人気順を上回るという意味ではありません。2つの物差しは別に見る必要があります。

AIにできること・できないこと

中央競馬のダートコースで、内ラチ沿いを2頭の競走馬が馬体を並べて競り合う場面を真横から寄りで描いた画像

ここまでの数字から、AIの予想にできることと、できないことを整理します。

まず、AIにできることです。

  • 全部の馬に、3着以内に入る確率(7頭立て以下のレースでは2着以内)をつけられる
  • 前日の時点で出せるので、前の晩に予想を組み立てられる
  • 毎週、同じ作り方で出し続けられる
  • 確率の当たり具合を、帯ごとの表で確かめられる形で出せる(当サイトの指数の検証の表では、実際の割合がどの帯も帯の真ん中の値から3%以内)

一方で、AIにできないこと、または難しいこともあります。

  • 前日の指数には、当日の馬体重・当日のオッズ・当日の馬場が入らない
  • 当日の情報まで入った人気順を、並べる力で上回るのは簡単ではない
  • 確率が当たることと、馬券の収支は別(3着以内に64.7%入る1番人気でも、複勝の回収率は84.9%)

最後の点の数字を、もう少し詳しく見ます。JRAの複勝の払戻率は80%(控除率20%)で、売り上げの80%が当たった馬券に分けられる仕組みです。1番人気の複勝を毎回100円ずつ買ったときの結果を表にまとめました。

項目値
期間2021年6月から5年間(16,230レース)
戻った額の平均84.9円
回収率84.9%(95%の幅は83.9〜85.9%)

3着以内に64.7%入る1番人気でも、戻りは100円を下回りました。払戻率の80%は売り上げ全体での割合で、人気ごとに分けた回収率がこれと同じになるとは限りません。当たる確率が分かることと、馬券で収支がどうなるかは、別の話です。

AIの予想の成績は信用できる?確かめる5点

明るい白い机の上に、開いた白紙のノートと虫眼鏡、赤鉛筆が置かれている画像

AIの予想の成績や的中率を見るときは、どのサイトの数字でも、期間や件数、計算の式などの5点を確かめると、読み違えにくくなります。

  1. 期間:いつからいつまでの数字か。都合のよい期間だけを切り取っていないか
  2. 対象と件数:どのレースの、何レース・何頭の数字か
  3. 買い方と計算の式:的中率や回収率を、どんな買い方・どんな式で出しているか
  4. 記録か計算か:予想を公開した時点の記録か、後から計算し直した値か。後から計算し直した値は、結果を知った後の情報が混ざることがあり、公開した時点の記録より良く見えやすくなります
  5. 外れた期間:外れた期間やレースも、同じ見やすさで出ているか

当事者として、この記事の数字にも同じ5点を当てはめておきます。人気順の数字は、期間(2021年6月から5年間)・対象(中央競馬の平地・8頭立て以上)・件数(16,230レース)を冒頭に書き、1年ごとの値をすべて並べています。これらの数字は、締め切りの時点で決まった人気をそのまま使い、その後のレースの結果と合わせて集計したものです。

当サイトの指数の検証の表では、期間(2025年8月以降)と対象(中央競馬・8頭立て以上)を示しています。帯ごとの件数と、公開した時点の記録か後から計算し直した値かは、表に示していません。表は期間全体の合計だけで、期間を分けた値は載せていません。集計の定義はデータと検証の方法のページにまとめています。

人気順と比べる物差しを持って、予想指数を使ってみましょう!

この記事の要点をまとめます。

  • 「当たる」は、並べる力と確率の当たり具合の2つに分けて見る
  • 人気順はすでに強い予想で、1番人気の3着以内率は2021年6月から5年間(16,230レース)で64.7%、並べる力は0.803だった
  • 人気順は当日の情報まで入っていて、前日の時点で計算する予想指数とは使える情報が違う
  • 当サイトの指数の検証の表(2025年8月以降・8頭立て以上)では、実際に3着以内に入った割合が、どの帯も帯の真ん中の値から3%以内
  • 確率が当たることと、馬券の収支は別の話

この記事で確率の当たり具合を見た指数は、レースの前日に全部の馬について公開していて、当日のオッズと見比べるときに使えます。今週のレースの指数は、中央競馬(JRA)の予想指数のページでご覧ください。

当サイトでは、このようなデータ分析を基に、全レース・全馬の能力や期待値を指数化し、毎週無料で公開しています。

よろしければ週末の競馬予想の参考にご覧ください!

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