地方競馬

笠松競馬場コースの特徴と枠番・脚質の傾向【5年4,994レース】

KeibaAiNavi
笠松競馬場をイメージした砂のコース。内ラチ沿いに一列で連なる競走馬の一団が、砂を巻き上げながら走っている

競馬場は場所・コースによって様々な特徴があり、有利となる枠番や脚質なども変わってきます

このページでは「笠松競馬場」のレース傾向を、直近5年・4,994レース(約4万2千頭)の実測データで解説します。1番人気の信頼度、枠順、脚質、距離別の傾向を順に確認し、中央競馬との違いにも触れていきます

笠松の傾向はさまざまに語られますが、本記事では集計期間とレース数を明示したうえで、すべて同一の集計条件による数字で確認していきます。場別シリーズ第9弾として、南関東4場(大井・川崎・船橋・浦和)や園田・高知と同じ形式でお届けします。

先に結論をまとめると、笠松は1番人気が堅い部類の場ですが、その堅さは出走頭数の少なさによるところが大きく、枠は外がやや有利、脚質は前有利という大前提の中で他場と比べて後方が届きやすい場です

  • 集計期間
    • 2021年6月~2026年6月 計5年間
  • 対象レース
    • 笠松競馬場の全レース 4,994レース・42,016頭(出走取消・競走除外は集計対象外)
  • 回収率計算方法
    • 単勝・複勝とも100円均等買い(払戻は公式の払戻データに基づき当サイトが集計)
  • 補足
    • 枠順の集計は5頭立て以上・馬番を頭数で3等分した「内・中・外」で判定
    • 脚質はそのレースで実際に取った位置。最初のコーナーの通過順位で判定し、先頭=逃げ・出走頭数の3分の1以内=先行・3分の2以内=差し・それより後ろ=追込(判定できた馬は99.9%)
    • 「地方全体」「地方14場」の数字は、ばんえい競馬を除く14場について、同じ期間・同じ条件で集計したものです
    • 「中央(ダート)」の数字は、同じ期間の中央競馬のダートのレースを同じ定義で集計したものです

※本記事は過去データの傾向の集計であり、原因を証明するものではありません。

※過去のレースに対する成績であり、将来のレースにおいて同様のパフォーマンスを保証するものではありません。

次の図解は、本記事で分かる笠松の傾向の早見まとめです。

笠松競馬場の傾向 早見マップ

図解:笠松競馬場の傾向早見マップ(堅さ・枠順・脚質・距離)

笠松競馬場の基本情報

笠松競馬場をイメージした地方競馬場の全景。手前にスタンドと立ち見の広場、その先の外ラチの向こうに砂のコースが広がっている

笠松競馬場は岐阜県羽島郡笠松町(一部施設は岐南町にまたがります)にある競馬場で、岐阜県地方競馬組合が「笠松けいば」として運営しています。オグリキャップやラブミーチャンなど、中央・地方で活躍した名馬の出身地としても知られています。

コースは右回り・1周1,100mで、ゴール前の直線は約201mと短く、平坦に近い小回りです(直線は公式表記で4コーナーから238m)。開催は昼から夕方にかけて行われ、自場でのナイター競走は実施していません

フルゲートは12頭です(2019年9月から現行の頭数です)。本集計の5年間でも14頭以上のレースはなく、大半が9頭以下の少頭数で行われています

※1周距離・直線・フルゲート・開催時間帯は主催者などの公表情報によります。頭数の実績は当サイトの集計値です。

次のグラフは、笠松で行われるレースの距離構成です。

笠松競馬場の距離構成

笠松競馬場 距離別のレース数構成比

主戦場は1400mで、全体の74.9%を占めます。これは当シリーズで見てきた園田の1400m(68.6%)を上回る一極集中で、笠松の傾向はほぼ1400mの傾向と言える構成です。

続くのが1600m(17.6%)・800m(4.4%)で、この3距離で約97%を占めます。1580m・1800m・1900mといった距離も施行されますが、いずれも1%前後と少なく、細かい集計は割愛します。

1番人気の信頼度——14場で2番目に堅い

笠松競馬場をイメージした砂のコースのゴール前。内ラチ沿いを走る先頭の1頭が後続を離して抜け出している
  • 地方全体と並べた人気順別の勝率
  • 出走頭数帯で変わる1番人気の勝率
  • 堅さを押し上げる14場最少の出走頭数
  • 勝率の高さと単勝回収率のずれ

次のグラフは、人気順別の勝率を笠松と地方全体で並べたものです。

人気順別の勝率(笠松vs地方全体)

笠松競馬場と地方全体の人気順別勝率の比較

笠松の1番人気の勝率は46.4%・3着内率は79.1%です。地方14場では金沢(50.0%)に次ぐ2番目の高さで、人気サイドが素直に走る堅めの場と言えます。

ただし、この堅さは頭数と切り離して語れません。

出走頭数帯別の1番人気勝率(笠松)

笠松競馬場 出走頭数帯別の1番人気勝率

7頭以下のレースなら1番人気は51.2%勝ちますが、10~11頭では42.3%まで下がります。笠松の平均出走頭数は8.4頭で、これは地方14場で最も少ない数字です

全体の46.4%という堅さは、この少頭数によって押し上げられている部分が大きく、同じ10~11頭のレースに限ると、地方全体の同じ頭数帯の平均(44.2%)を下回ります

つまり笠松の堅さは、場そのものの性質というより頭数の少なさによるところが大きいと考えられ、頭数が増える日ほど1番人気の取りこぼしに注意したい場です

なお、一般論として「勝率が高い=馬券的な妙味がある(儲かる)」ではありません。笠松の1番人気の単勝回収率は78.4%と、100%を大きく下回ります

笠松は内枠有利か外枠有利か

笠松競馬場をイメージした砂のコースで、内ラチ沿いを走る最内の馬と騎手が、前を行く馬たちの蹴り上げた砂を顔から浴びている
  • 馬番を3等分した内・中・外の勝率
  • 差の小さい枠の位置別の単勝回収率
  • 馬場が渋っても変わらない外有利の向き
  • 800mで最も強く出る外有利

小回りコースというと「内枠有利」を思い浮かべる方も多いですが、実測で確かめます。次のグラフは、馬番を内・中・外に3等分したときの勝率です。

枠の位置別の勝率(笠松)

笠松競馬場 枠の位置別の勝率(内・中・外の3分割)

内10.9%・中11.6%・外13.3%と、外に行くほど勝率が上がります内÷外の勝率比は0.82で、これは地方14場で6番目に強い「外枠有利」です(姫路0.64・船橋0.67・門別と名古屋0.74・園田0.77に続きます)。

地方全体の0.86よりはやや強いものの、姫路や船橋ほど極端ではない、中程度の外有利です

※名古屋の0.74は、弥富への移転(2022年4月)の前後を合わせた5年間の集計です。移転後だけで集計すると0.70となり、移転後の数値は名古屋競馬場の個別記事で解説しています。

答えは「外枠有利」でした。少なくとも「小回りだから内枠有利」は、直近5年の実測では支持されません

回収率も見てみます。

枠の位置別の単勝回収率(笠松)

笠松競馬場 枠の位置別の単勝回収率

単勝回収率は内68.1%・中67.4%・外71.3%です。勝率では内と外に階段がありましたが、回収率の差はそれほど大きくなく、いずれも100%を下回ります

外枠の有利はある程度オッズにも織り込まれており、枠だけを頼りに買う戦略は成り立ちません

続いて、馬場状態による変化を見ます。

馬場状態別の内外バイアス(笠松)

笠松競馬場 馬場状態別の内外バイアス(内÷外の勝率比)

良0.86・稍重0.72・重0.78と、どの馬場状態でも外有利の向きは変わりません(不良馬場は該当レース数が255と少ないため、グラフには載せていません)。渋った馬場でも外の優位は消えないと言えます

そして、笠松の枠でもう一つ押さえたいのが距離との関係です。

距離別の内外バイアス(笠松)

笠松競馬場 距離別の内外バイアス(内÷外の勝率比)

外有利の強い順に並べると800m(0.60)・1600m(0.75)・1400m(0.85)で、外有利は短距離の800mで最も強く出ます(上のグラフは横軸を距離の短い順に並べています)。園田のように距離が伸びるほど単調に薄れる形ではなく、笠松では800mが際立って外有利という特徴があります

最内の不利は、ラチ沿いの砂が深くなりやすいことや、スタート直後に前の馬の砂を被りやすいことによるものと考えられます短距離ほど巻き返す余地がないため、800mで外有利が強く出るという見方は実測の傾向とも合っています。

なお、短距離では出走する馬の能力差の偏りも数字に影響し得ます。

脚質——地方で最も後方が届く場、ただし前有利は大前提

笠松競馬場をイメージした砂のコースで、内ラチ沿いを逃げる先頭馬に、砂を浴びながら後続の1頭が迫っている
  • 逃げ・先行・差し・追込の勝率の並び
  • 少頭数なのに低い逃げの押し切り率
  • 逃げとほぼ同じ先行馬の3着内率
  • 距離が長いほど後方が届く傾向

この章の脚質は、レースの結果として分かる実際の位置取り(最初のコーナーの通過順位)で集計しています。そのため回収率(その買い方をした場合の損得)は掲載していません

予想への活かし方脚質の検証記事をご覧ください。

はじめに押さえたいのは、前の位置を取った馬が後方の馬より好成績という、地方14場すべてに共通する大前提です。実際に逃げた馬の勝率は地方全体で29.4%、追込に回った馬は2.9%となっています。

この章で確認するのは、その大前提の中で、笠松が他場と比べてどの位置にいるかです

次のグラフは、実際の位置取り別の勝率です。

実際の位置取り別の勝率(笠松)

笠松競馬場 実際の位置取り別の勝率(最初のコーナー通過順から判定)

逃げ25.0%・先行20.4%・差し11.2%・追込4.3%となっています。ここでも逃げ25.0%が追込4.3%を大きく上回り、前有利という大前提は笠松でも変わりません

そのうえで注目したいのが、後方の届きにくさを示す逃げ÷追込の勝率比です。笠松は5.8倍で、これは地方14場で最も小さい数字です(姫路7.3・船橋7.9よりさらに小さい値です)。

差し11.2%・追込4.3%はいずれも地方全体(差し7.9%・追込2.9%)より高く、前有利という枠組みの中で、他場と比べて相対的に最も後方が届く場と言えます

逃げがそのまま押し切る率(25.0%)も、大井24.7%と並ぶ下位帯にあたります。押し切り率は多頭数の場ほど下がりやすいのですが、笠松は平均8.4頭と14場で最も少頭数です

頭数が少ないほど本来は前が残りやすいはずで、それでも押し切り率が低いのは、頭数とは別に後方が届きやすい傾向が表れているものと考えられます

もう一つの特徴が先行馬です。先行の勝率20.4%は地方全体(15.2%)より高く、3着内率52.3%は逃げの52.4%とほぼ同じです

逃げた馬だけでなく、好位につけた馬まで幅広く粘るのが笠松の脚質の姿です。

距離別に見ると、主戦場の1400mで逃げ÷追込は5.75倍、1600mでは3.94倍と、距離が伸びるほどさらに後方が届きます。一方で最も短い800mは、実際に逃げた234頭の勝率が57.3%、追込に回った630頭の勝率はわずか0.6%で、短距離では前に行った馬が圧倒的に有利です(800mの比は頭数が少ないため実数で示しています)。

※実際の位置取りは馬の能力や展開と重なるため、位置取りだけの効果として読むには注意が必要です。

距離別の傾向まとめ

笠松競馬場をイメージした砂のコース。レース前のハロー掛けを終えた無人の走路が、走行方向に走る細い筋を残して奥へ続いている

ここまでの内容を、主要距離ごとに整理します。

距離レース数1番人気勝率枠(内÷外)逃げ÷追込
800m220※データ少0.60(外有利)※逃げ57.3%/追込0.6%
1400m3,74247.0%0.85(外有利)5.75
1600m87842.8%0.75(外有利)3.94

※800mの逃げ÷追込は、逃げに回った馬の頭数が少ないため倍率を出さず、実数(逃げ勝率57.3%・追込勝率0.6%)で示しています。

  • 800mは、数値を出せた800m・1400m・1600mの中で「外有利+前有利」が最も極端に出る距離です。逃げた馬が2回に1回以上勝つ一方、後方からの出番はほとんどありません
  • 主戦場の1400mは1番人気が47.0%と堅く、外有利はやや緩みます。前有利は5.75倍と、笠松の中では標準的です
  • 1600mは1番人気が42.8%とやや軟化し、逃げ÷追込も3.94倍と主要距離で最も後方が届きます

※1580m・1800m・1900mなどの距離は、いずれもレース数が少ないため割愛しています。細かい距離別の集計は傾向としてご覧ください。

中央競馬場との違い

満員の大観衆を背に、中央競馬のダートコースを追い比べる競走馬と騎手たち。砂を蹴立てて一頭が抜け出そうとしている

中央のダートに慣れた方向けに、同一基準の実測で違いを整理します

指標笠松地方全体中央(ダート)
1番人気の勝率46.4%44.3%34.1%
平均出走頭数8.4頭10.1頭14.2頭
枠(内÷外の勝率比)0.820.860.84
逃げ÷追込(勝率比)5.810.28.9

※逃げ÷追込は、実際の位置取り(最初のコーナーの通過順位)による勝率比です。地方・中央とも同一の定義で集計しています。

1番人気は中央ダートより12%堅く、平均8.4頭という少頭数もあって、中央の感覚よりも人気サイドで決まりやすい場です。フルゲートも12頭と小さく、多頭数で紛れる場面が中央より少なくなります。

枠の外有利(0.82)は、中央ダートの0.84とほぼ同じ水準です。砂のコースで外枠が有利になりやすいという傾向は、笠松でも中央並みに出ていると考えられます。

最も違うのが脚質です。後方の届きにくさを示す逃げ÷追込は、地方全体が10.2倍、中央ダートが8.9倍であるのに対し、笠松は5.8倍にとどまります

地方競馬は中央ダートより後方が届きにくいのが一般的ですが、笠松はその逆で、中央ダートよりも差し・追込が届く数少ない地方場です。この点は笠松のはっきりした個性と言えます。

まとめ:笠松の傾向を把握して馬券戦略を組み立てる

30代の日本人男性が、競馬のデータを見ながら考えている場面

本記事の要点をまとめます。

  • 笠松の1番人気勝率は46.4%で14場中2位。ただし平均8.4頭という14場最少の少頭数が主因で、10~11頭では42.3%まで下がります。「頭数が少ないから堅い」場です
  • 枠順は内÷外0.82の外枠有利(14場6位)。短距離の800mで最も強く(0.60)、主戦場1400mでは緩みます。回収率の内外差は小さく、枠だけで買う戦略は成り立ちません
  • 脚質は、逃げ÷追込5.8倍が地方14場で最も小さく、前有利という大前提の中で相対的に最も後方が届く場です。ただし逃げ25.0%は追込4.3%を大きく上回り、前が有利であること自体は変わりません
  • 先行馬の3着内率52.3%は逃げの52.4%とほぼ同じで、好位につけた馬まで幅広く粘ります。1600mはさらに後方が届きます
  • 主戦場は1400m(74.9%)の一極集中で、中央ダートより後方が届く点が笠松らしさです

どの傾向も「そのまま買えば儲かる」ものではありませんが、人気馬の評価やレース選びの物差しとして組み合わせることで、長期的な予想の精度を支えてくれます。

場別シリーズとしては、南関東4場(大井・川崎・船橋・浦和)や園田・高知に続く第9弾です。地方競馬全体の傾向はまとめ記事で一覧できます。

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