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【新潟千直を徹底攻略!】狙える外枠馬・危険な外枠馬とは

KeibaAiNavi

新潟千直で外枠が有利と言われる理由とは

夏競馬の代名詞とも言える新潟千直。

新潟競馬場で行われる芝1000mのレースであり、日本の競馬で唯一直線のみのレースです。

多くのファンがいるこの新潟千直ですが、直線のみのコースであるからこそ、他の競馬場のコースとは異なる独特の傾向があります。

「新潟千直は外枠が圧倒的に有利」ということは多くの競馬ファンに知られていますが、外枠の馬であればどんな馬でも狙えるわけではありません。

このページでは、新潟千直の全体的な傾向と、狙える外枠馬・危険な外枠馬について解説します。

外枠の馬の馬券内率は内枠の馬の4倍!

まずは、外枠がどの程度有利であるかを確認してみます。

枠番別の複勝率・回収率

複勝率を見ると、1〜5枠は10%前後であるのに対し、6枠から一気に倍に跳ね上がり、8枠は40%弱と非常に高くなっています。

また回収率を見ても、複勝率と同様に6枠から跳ね上がり、8枠はほぼ100%になっています。

このデータからも、「新潟千直は外枠が圧倒的に有利」ということは疑いようのない事実であることがわかります。

新潟千直は、複勝率・回収率のどちらを見ても、基本的に外枠の馬を狙うべきと言える!

外枠が有利な理由は、馬場状態と距離ロス

ではなぜ内枠と外枠でここまでの成績差が生じるのでしょうか。その理由は次の2点にあります。

  1. 馬場状態の内外差が大きい
  2. 内枠の馬は距離ロスが生じる
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新潟千直で外枠が有利な理由

馬場状態の内外差が大きい

新潟競馬場の芝コースは、開催が進むにつれて内側の馬場が荒れてくると、各馬は最終直線では走りにくい馬場の内を避け、外へ持ち出す光景がよく見られます。

千直コースでは特にこの傾向が顕著であり、スタート後、各馬は外ラチ沿いへ密集します

参考画像 スタート後の隊形

そしてゴールが近づくと、再度馬場の中ほどまで馬群がばらける隊形となります。

参考画像 ゴール直前の隊形

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新潟千直で外枠が有利な理由

内枠の馬は距離ロスが生じる

各馬は基本的に外ラチ沿いを走りますが、新潟千直はスタートのゲートが外ラチ沿いに設置されます。

参考画像 12頭立てのレース

そのため、外枠の馬はまっすぐ走ればいいのに対し、内枠の馬は外ラチ沿いを走るためには内から外に向かって斜めに走る必要があり、大きな距離ロスが生じます

通常コースではコーナーがあるため、内を走る方が距離ロスが小さくなりますが、新潟千直に限ってはコーナーがなく、各馬が外ラチ沿いを求めて走るため、外枠の方が距離ロスが小さくなります。

通常のコースの傾向
  • 内枠の馬:
    • 距離ロスなく最短距離で走ることが可能
  • 外枠馬:
    • コーナーで外を回り距離ロスが生じやすい
新潟千直の傾向
  • 内枠の馬:
    • 外ラチに向かって斜めに走り距離ロスが生じる、又は荒れた内を走る必要がある
  • 外枠の馬:
    • スタート後から外ラチを活用しながらきれいな馬場をまっすぐ最短距離で走ることが可能

これが、新潟千直で内枠不利・外枠有利となる理由です。

新潟千直攻略のカギは先行力

外枠が圧倒的に有利であることは間違いありませんが、その中でも狙い目となる外枠馬・危険な外枠馬は存在します

そこで、着目する点は先行力です。

競馬はコースを問わず一般的に逃げ・先行馬などの前方脚質の成績が良くなる傾向にあります。

その一方で、直線が長い東京競馬場などでは、差し馬も最終直線で外に持ち出しやすく、他の競馬場と比べて差し馬もある程度好走しやすいと言われます

それでは直線のみの新潟千直における、脚質ごとの成績はどのようになるでしょうか。

脚質別の複勝率・回収率

新潟千直においても、逃げた馬の成績が最もよく、後方からの競馬となった馬は成績が下がっていることがわかります。

また、一般的な芝コースと比べても、前方脚質有利の傾向が非常に顕著となっています。

参考:芝コース全レースの成績
  • 逃げ:複勝率 38.3%
  • 先行:複勝率 35.1%
  • 中団:複勝率 20.6%
  • 後方:複勝率 7.8%

そして次のグラフのとおり、前方脚質有利・後方脚質不利の傾向は、外枠の馬であっても同様です

外枠馬(7枠・8枠)
脚質別の複勝率

外枠馬(7枠・8枠)
脚質別の回収率

新潟千直は直線のみのコースではありますが、実際は各馬が外ラチ沿いに密集するため、後方の馬は仕掛けどころで前や横が壁になっており詰まってしまうケースが散見されます

そのためテンが速く、逃げ・先行の戦法を取れる馬の成績が良くなるため、「前に行くことができる馬」を探すことが重要です

もちろん、出遅れは致命的な不利となります。出遅れる可能性が高い馬の見分け方はこちらの記事で解説しています

出遅れる馬は予想できる!3つの観点から出遅れ確率と関連する要因を徹底分析!
出遅れる馬は予想できる!3つの観点から出遅れ確率と関連する要因を徹底分析!

では新潟千直で「前に行くことができる馬」はどのように見つければいいのか、次の観点から調べてみます。

  1. 前走からの距離短縮
  2. 負担重量(斤量)の変化
  3. 調教コースによる違い
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新潟千直で「前に行くことができる馬」とは

前走からの距離短縮幅による傾向

中央競馬では、1000mが最も短い距離のレースであるため、全馬が距離増減なしまたは距離短縮となります。

では前走距離と成績の関係を見てみましょう。

前走距離別の複勝率・回収率

前走距離が1000mに近いほど複勝率が高く、前走距離が長いほど複勝率は下がる傾向にあります。

このような傾向となる理由としては、もちろん距離適性の問題もありますが、前走の経験ペースも影響しています。

距離が短いほどペースは速くなるため、前走距離が長い馬は新潟千直のハイペース戦では追走できず、結果として後方になってしまうケースが多くなります。

そのため、前走1000m~1200mの短距離戦でハイペースを経験した馬が先行しやすく、好成績を残しています

一方で回収率の観点で見ると、前走1500m以上からの大幅距離短縮馬が非常に高くなっています。

この前走1500m以上の馬についてさらに詳細に調べたところ、次のような傾向がありました。

大幅距離短縮馬の傾向
  • 今走斤量増:
    • 複勝率10.8% 複勝回収率58%
  • 今走斤量増減なし:
    • 複勝率14.5% 複勝回収率69%
  • 今走斤量減:
    • 複勝率14.3% 複勝回収率207%

そこで次は、テンの速さにもかかわってくる斤量の影響について調べてみます。

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新潟千直で「前に行くことができる馬」とは

負担重量(斤量)の変化

次のグラフは、前走からの斤量増減別に見た複勝率及び複勝回収率です。

前走からの斤量増減別の複勝率・回収率

減量騎手を乗せるなどにより、前走から斤量が軽くなるに従い複勝率及び複勝回収率が上昇する傾向にあることがわかります。

特に、前走から2kg以上斤量が軽くなっている馬は、90%以上の回収率となっています。

これは軽斤量によりテンが速くなることで先行しやすくなることが影響していると考えられます。

斤量増減別の逃げ・先行割合
  • 斤量の馬の逃げ・先行割合:25.9%
  • 斤量増減なしの馬の逃げ・先行割合:28.3%
  • 斤量の馬の逃げ・先行割合:30.6%
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新潟千直で「前に行くことができる馬」とは

調教コースによる違い

調教で主に使用されるコースとして、坂路・ウッドの2種類があります。

そのうち坂路調教については、瞬発力を鍛えることが可能であり、それがテンの速さにも影響します。

先行力が重要となる新潟千直コースでは、この効果が結果に如実に表れます。

最終追切コース別の複勝率

最終追切コース別の回収率

複勝率・回収率のどちらで見ても、坂路で最終追切を行った馬の成績が良いことがわかります。

千直では前走からの条件変化を見極め、先行できる馬を見抜こう

新潟千直は芝コースの中でも特に先行できる馬の成績が良くなるコースです。

過去のレースで先行できているか、という点はもちろん重要ですが、それ以外にも前走の距離や斤量、調教過程といった条件変化によっても、先行できる確率が変わってきます。

たとえ外枠の馬であっても、後方からの競馬となってしまっては勝率が著しく下がるため、先行できるのはどの馬かを見極めて予想することが重要となります。

新潟千直で外枠を狙えるのは内外の馬場差が大きいケース

外枠が有利な理由として、「内外の馬場状態の差」について冒頭に解説しましたが、この内外の馬場状態にどの程度の差があるかによっても枠の有利不利が変わってきます。

  1. 開催が進むほどに外枠有利の傾向が強くなる
  2. 馬場状態が悪化するほど、外枠有利の傾向が強くなる
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千直で外枠が有利となる馬場状態

開催が進むほどに外枠有利の傾向が強くなる

開幕週では、内の馬場もまだ荒れておらず、内外の馬場状態の差は小さくなります。

開催初日の最終直線

新潟開催初日では、画像のとおり千直のレースでも内を走る馬も見られます。

開催最終日の最終直線

一方で最終日には、千直のレースで内ラチ沿いを走る馬はほとんど見られず、千直以外のレースでも各馬が大きく内を空けて走っています。

そこで、開催日数別に外枠馬の成績を見てみましょう。

外枠馬(7枠・8枠)
開催日数別の複勝率・回収率

複勝率・回収率ともに、開催直後は低く、開催が進むにつれて上昇傾向にあることがわかります。

開幕初週である1日目・2日目については、外枠馬であっても回収率が80%前後と、馬券的な妙味はありません

ただし、それでも複勝率は30%前後あり、内枠の馬の平均複勝率が10%前後であることを考えると非常に高くなっています。

内の馬場がきれいであると言っても、基本的に外ラチ沿いに密集する隊形となるため、距離ロスのある内枠不利・距離ロスがない外枠有利の傾向は変わりません

ですが、内も走りやすい状態であるため、外枠の馬券的な妙味は低いと言えます。

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千直で外枠が有利となる馬場状態

馬場状態が悪化するほど、外枠有利の傾向が強くなる

雨が降り馬場が重くなると、馬場の内側は芝がめくれ、より荒れやすくなります

逆に、クッション値が高い高速馬場であれば、スタート後に内側からでもスピードに乗って走ることが可能です。

そのため、馬場状態によっても内枠・外枠の有利不利が変わってきます。

外枠馬(7枠・8枠)
複勝率

外枠馬(7枠・8枠)
回収率

外枠馬の馬場状態別の複勝率を見てみると、馬場が重くなればなるほど、複勝率・回収率ともに高くなる傾向があることがわかります。

良馬場であっても、まっすぐ外ラチ沿いを走れる外枠馬の複勝率が高くなりますが、馬券的な妙味はありません。

内外の馬場差が小さい場合、外枠馬は低回収率となる

外枠の馬は非常に人気を集めやすく、「危険な人気馬」となることも少なくありません。

外枠有利の理由のひとつが内外の馬場差にあるため、新潟開催の初週や高速馬場の場合など、内枠からでもスピードに乗れる条件下では外枠馬の馬券妙味は一気になくなります

外枠馬の複勝率は高いため馬券から完全に外すことは難しいですが、内も使える状態では外枠以外からの穴馬に注意が必要です。

まとめ

新潟千直の全体的な傾向と、狙える外枠馬・危険な外枠馬について、データを基に解説しました。

新潟千直はスムーズに先行することが可能な外枠の馬が非常に有利となるコースですが、危険な人気馬となるケースや内枠の馬に注意する必要があるケースも存在します。

  1. 前走の距離や斤量、調教過程といった条件変化によっても、先行できる確率が変わってくるため、外枠の馬であっても先行できる馬を見極めることが重要です
  2. コースの内と外の馬場差が小さいケースでは外枠の回収率は低くなる傾向にあります。開幕当初や高速馬場の場合は内枠の穴馬にも注意が必要です

直線のみのコースはこの新潟千直のみであり、他のコースにはない非常に特殊な傾向がみられます。

「外枠の馬が有利」であることは間違いありませんが、その中でも狙える馬・危険な馬を見極めて予想することが非常に重要です。

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