【夏競馬を攻略】斤量有利な3歳馬を狙え!│儲かる3歳馬の条件・狙い方
夏競馬は斤量が軽い3歳馬が有利!
5月の日本ダービーが終わり6月の夏競馬の時期から、3歳馬と古馬が同じレースを走るようになります。
3歳馬にとっては初めての古馬との直接対決となりますが、基本的に古馬より3歳馬が圧倒的に有利となります。
次のグラフは2019年から2023年の5年間における夏競馬(6月から8月)の3歳馬と古馬が出走可能な混合戦の全レースにおける出走馬及び1着馬の年齢を表したものです。
※本ページ内のデータは全て上記条件によるデータです
出走馬の年齢
1着馬の年齢
出走馬における3歳馬の割合は29%であるのにも関わらず、1着馬における3歳馬の割合は49%となっています。
この数値を見ても、他の年齢の馬と比べて3歳馬は圧倒的な勝率を誇っていることがわかります。
年齢ごとの勝率で見てみると、次のようになります。
年齢別勝率
勝率は年齢と反比例し、若い馬ほど勝率が高くなっています。その中でも特に3歳馬が11.7%と飛びぬけて高く、4歳馬の倍近い勝率となっています。
- 勝率は馬の年齢と反比例し、特に3歳馬と非常に高い勝率となっている
- 夏競馬の1着馬の半分は3歳馬である
夏競馬で3歳馬の勝率が圧倒的に高い理由
なぜ夏競馬では3歳馬の勝率が圧倒的に高いのでしょうか。その理由は主に次の2点です。
- 3歳馬は古馬と比べて斤量が軽い
- 勝ち進めていない古馬と勝ち進んできた3歳馬
3歳馬は古馬と比べて斤量が軽い
まだ経験が少なく成長段階にある3歳馬は、古馬と比べて軽い斤量で出走することが可能です。
次の表は、距離と月別の斤量差をまとめたものです。
古馬と3歳馬の斤量差(平場)
古馬と3歳馬の斤量差(OPEN)
3歳馬と古馬の斤量差は、レースの距離と開催月によって決められます。
距離が長いほど斤量差は大きくなります。また斤量差は夏が最大となり、秋・冬になるにつれて徐々に小さくなります。
そのため、夏競馬の1勝クラス~3勝クラスの平場レースでは3歳馬は古馬よりも3kg軽い斤量で出走することが可能です。OPENクラスではなんと最大で5kgも軽くなります。
一般に斤量1kg=1馬身(約0.2秒)と言われます
単純に考えると夏競馬の3歳馬は3馬身~5馬身のハンデをもらえるということになります。
3歳馬はまだ成長途中であるとは言え、この斤量差は間違いなく夏競馬で3歳馬が好走する理由の一つとなっています。
勝ち進めていない古馬と勝ち進んできた3歳馬
3歳馬の勝率が高い理由として、対戦相手である古馬のレベルが相対的に低いことも要因の一つとして考えられます。
当然ながら、4歳以上の古馬にも斤量が有利な3歳馬であった時期があります。
ですが、1勝クラスや2勝クラスに出走してくる古馬については、斤量差がある3歳時やその後のレースにおいても勝ち上がれておらず出走クラスが頭打ちとなりつつあります。
一方で3歳馬は成長途上であり、またキャリアも浅いため、今後3勝クラスやOPENクラスへと勝ち上がっていく馬も多く含まれます。
もちろん、馬によって早熟型・晩成型などの違いがあるため、一概に3歳馬よりも絶対的な能力が低いとは限りません。
ですが、成長余地が少ない古馬に対し、潜在的な能力が高くまだ底を見せていない3歳馬が多数存在するため、古馬と比べて好成績を収めることが可能となります。
夏競馬で3歳馬を買えば儲かるのか
夏競馬における3歳馬の勝率が高いことはここまで見てきたとおりです。、
しかし、「勝率が高い=馬券的な妙味がある(儲かる)」ではありません。
3歳馬の勝率が高くても、それが広く知れ渡っており過剰に人気になってしまうようでは、3歳馬を狙うメリットはありません。
年齢別の単勝回収率
これは年齢ごとの回収率を示したグラフです。回収率も3歳馬が最も高くなっていますが、勝率のように圧倒的に高いとは言えません。
つまり、3歳馬の勝率が高いことはある程度認知されており、少なからずオッズに反映されている状態です。
そこで、3歳馬の中でどのような馬を狙えばより回収率が高くなるのか、その条件を次の2つの観点から探してみます。
- 3歳馬に騎乗する騎手の負担重量
- 3歳牡馬と3歳牝馬の違い
3歳馬に騎乗する騎手の負担重量
デビューしたばかりの騎手や女性騎手は減量騎手と呼ばれ、馬齢によって設定される斤量とは別に、次の表のとおり軽い負担重量でレースに出走することが可能です。
減量 | 男性騎手 | 女性騎手 |
---|---|---|
無 | 101勝以上 | ー |
-1kg | (☆) 51勝以上100勝以下 | ー |
-2kg | (△) 31勝以上50勝以下 | (◇) 101勝以上 |
-3kg | (▲) 30勝以下 | (▲) 51勝以上100勝以下 |
-4kg | ー | (★) 50勝以下 |
夏競馬の3歳馬は元々3kgの恩恵があるため、減量騎手が3歳馬に騎乗する際は古馬と比べて大幅に軽い斤量となります。
- 4歳牡馬・騎手減量なしの場合
- 58kg
- 3歳牡馬・減量騎手(▲)の場合
- 58kg -3kg -3kg = 52kg
このように3歳馬に減量騎手を乗せることで、極端に軽い斤量での出走が可能となるため、戦略的に減量騎手に騎乗させるケースも散見されます。
そこで以下に、3歳馬に騎乗する騎手の減量有無によって勝率がどのようになるかを見てみましょう。
騎手の負担重量別勝率
意外にも、騎手の減量なしの場合の勝率が最も高く、減量幅が大きければ大きいほど勝率は下がるという結果になりました。
これには、次のような理由が考えられます。
- 有力な3歳馬はリーディング上位の騎手へ騎乗を依頼することが多い
- 減量騎手を騎乗させる馬は、実力不足の人気薄の馬であることが多い
実際に平均人気は以下の通りとなっています。
- 減量無し:平均5.2人気
- 減量騎手:平均6.7人気
減量騎手は勝率が低くなっていますが、では回収率の観点ではどうなるか見てみましょう。
騎手の負担重量別回収率
負担重量が減少すればするほど回収率が高くなっていき、-2kg、-3kgに至っては回収率が100%を超える結果となっています。
元々の能力が足りていない馬の割合が多いため勝率自体は高くなかったものの、斤量差を活かして穴をあける馬が多く、回収率の観点で見れば狙う価値は非常に高いと考えられます。
ただし、負担重量が-4kgとなる場合(50勝以下の女性騎手)については、勝率・回収率ともに非常に低い値となっています。
女性騎手はまだまだ人数が少なくデータの分母が小さいため、今後データ数が増えてくれば回収率が上昇する可能性もあります。
しかし、新人女性騎手の応援馬券などがオッズを押し下げている可能性などもあり、現時点では積極的に狙うべきではありません。
3歳牡馬と3歳牝馬の違い
夏競馬における特徴として牡馬よりも牝馬の勝率・回収率が高い傾向があります。
そこで「夏競馬の期間の3歳馬においてでも性別による勝率の差が見られるのか」を調べてみます。
なお「夏は牝馬が強い」理由とそのデータについては別記事で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。
3歳馬の月別勝率
夏場は牡馬・牝馬ともに斤量優位により勝率は高くなっていますが、若干牝馬の方が高い傾向にあります。
一方で冬が近づくにつれ牝馬の勝率は下降していくのに対し、牡馬は一定の勝率のまま安定しており、10月以降は牡馬のほうが明確に勝率が高くなっています。
では回収率はどのようになっているのか確認してみましょう。
3歳馬の月別回収率
回収率は勝率よりも牡馬と牝馬の違いが明確です。
夏競馬の時期については、牡馬の回収率は80%は超えているものの特別高い値ではないのに対し、牝馬の回収率は90%近い値となっています。
これには次のような理由が考えられます
- 牡馬は通年で勝率が安定しているため、夏場においても能力が適正に評価されており実力とオッズの乖離が発生していない
- 牝馬は季節によってパフォーマンスの差が大きいため、夏以前の低調期の実績を基に能力比較されることで過小能力評価されており、パフォーマンスが向上する夏場は回収率が高くなる
夏競馬においては、3歳馬の中でも特に3歳牝馬がねらい目となります。
夏競馬の3歳馬は減量騎手・牝馬がねらい目
夏競馬における3歳馬は、古馬と比べて斤量が軽いため勝率も回収率も高くなります。
また、その中でも減量騎手が騎乗するケースや、3歳牝馬が特に回収率が高くなり非常にねらい目となります。
3歳馬が好成績となる理由や期待値が高い条件を把握し、夏競馬の馬券購入に活かしましょう。
当サイトでは、このようなデータ分析を基に、全レース・全馬の能力や期待値を指数化し、毎週無料で公開しています。
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Contents
競馬初心者に向けた基礎知識の解説から、競馬場ごとの特徴、そして統計学に基づいた回収率を大きく向上させるためのデータを紹介。
さらに独自の競馬AIを自作するためのノウハウについても解説します。