回収率と的中率を高める3連複の買い方~馬券の買い方講座~
3連系の馬券は回収率と的中率のバランスが重要
このページでは、競馬における非常に重要な要素でもある「馬券の買い方」に着目し、軸とする馬の選択によって回収率や的中率がどのように変化するかを解説します。
最初に、3連系の馬券を購入する際には、他の馬券種と異なり注意が必要な点があります。
それは「期待値を追い求め過ぎない」です。
なぜなら、3連系の馬券は高回収率となる条件は簡単に見つけられますが、その多くが実際に購入することが不可能な条件だからです。
具体的な例を用いて説明します。
例えば、私の作成している指数を使い、次の条件で3連単を購入したとします。
- 対象レース:全レース
- 買い目:指数順位1位→2位→3位の3連単フォーメーション1点
- 購入期間:2020年1月から4年間
この時のトータル回収率は380.3%です。
非常に高回収率で魅力的な成績に思えます。しかし、ここで回収率以外のデータを見てみます。
- 的中率:0.3%
- 最大連敗数:2,001レース
的中率0.3%ということは、330レースに1回程度しか的中しません。
また、2,001連敗とは、3場開催36レース購入したとしても55日間、つまり半年以上的中しない期間が存在するということです。
半年間的中しなくても、「期待値はプラスだから・・・」と購入を継続できる方はいるでしょうか。
99.9%の方は、的中する前に購入をやめてしまうでしょう。
このように3連系の馬券は、実際に購入する際のメンタル面を無視した机上の計算では、いくらでも高い回収率の条件を作り出すことができます。
ですが途中で挫折するような条件設定では意味がないため、3連系の馬券は特に個々人のリスク許容度に合わせて的中率と回収率のバランスをとる必要があります。
分析に当たって使用する指標
3連複馬券のシミュレーションを行うにあたり、期待値が高い馬を予想できていることを前提として分析します。
皆様の予想方法によって、本命の馬の回収率や平均人気は異なると思いますが、ここでは私が作成しているHS指数の上位馬を高期待値の馬として使用します。
HS指数の順位別回収率は次の画像の通りです。1位の回収率は約107%となっています。
HS指数の順位別回収率
また、高期待値の馬の多くは穴馬となります。
HS指数1位は4番人気、5番人気が最も多くなっています。
HS指数1位の人気分布
この指数を基にして、3連複の買い方によって的中率や回収率がどのように変化するかを分析してみましょう。
3連複は馬券の組み立て方が結果に大きく影響する
3連複は様々な馬券の買い方が存在するため、次の3パターンに分けて分析を行います
- 指数上位のBOX
- 指数1位の一頭軸流し・フォーメーション(回収率重視)
- 1番人気馬の一頭軸流し・フォーメーション(的中率重視)
※本サイトで回収率を記載する際は、基本的に配当均等買い(払い戻しが同額になるように資金分配する買い方)の回収率を記載していますが、3連系は資金配分せず同額で購入する方が多いため、本分析においては購入金額を均等にした場合の回収率を記載します。
※本分析は2020年1月から4年間(10頭立て以上のレースのみ)の分析結果となります。
BOX買いの場合
最初に、指数上位の馬をBOXで購入した場合の的中率と回収率を見てみます。
指数上位馬BOX買い時の回収率
BOX買いがこのような傾向になる理由として、次の点が考えられます
- 少頭数のBOX買いには、全ての買い目に指数1位または2位の高期待値馬が含まれる
- 多頭数のBOX買いには、指数上位が含まれない買い目が存在するため、回収率が下落する
ここで、的中率を上げるためにBOX買いの対象に1番人気を加えるとどうなるかを見てみましょう。
1人気+指数上位馬BOX買い時の回収率
1番人気馬を必ず含めることで、安定感は増しますが回収率は下落します。
この理由としては次の点が考えられます。
- 3連系の馬券には、とりあえず1番人気馬は抑えておく人が多い
- そのため、1番人気馬が絡む馬券は過剰にオッズが低くなる(=期待値が低くなる)
BOX買いは軸好捕が複数いて決めきれない場合には有効な買い方ですが、回収率の観点から考えると、頭数を広げすぎたりむやみに1番人気馬を入れることは望ましくないことがわかります。
高期待値の馬を軸にした場合
それでは次は、一頭軸流し・フォーメーションの場合はどうなるか調べてみます。
まずは回収率を重視し、高期待値の馬を1頭軸にする場合を想定します。
このときの
- 一頭軸流し
- 一頭軸フォーメーション
それぞれの的中率・回収率について調べてみましょう。
指数1位の一頭軸流し 相手別回収率
指数1位フォーメーション 相手別回収率
一頭軸流し、一頭軸フォーメーションともに非常に似た傾向があることがわかります。
指数1位を軸にした場合にこのような傾向になる理由として、次の点が考えられます。
- 最も期待値が高い馬が必ず絡む購入方法となるため、回収率は下落しにくい
- 期待値が高い馬は穴馬であることが多いため、的中率は上昇しにくい
穴馬を軸にするため、的中率は低めなものの、回収率は高めとなります。
回収率に比重を置きたい方には適した買い方となるでしょう。
1番人気の馬を軸にした場合
次に的中率を重視し、1番人気の馬を1頭軸にする場合を想定します。
このときの
- 一頭軸流し
- 一頭軸フォーメーション
それぞれの的中率・回収率について調べてみましょう。
1人気の一頭軸流し 相手別回収率
1人気の一頭軸フォーメーション 相手別回収率
こちらも一頭軸流し、一頭軸フォーメーションともに非常に似た傾向となっています。
1番人気馬の1頭軸がこのような傾向になる理由として、次の点が考えられます。
- 過剰に買われやすい1番人気馬絡みのみ馬券となるため、回収率上がりにくい
- 相手を絞り高期待値の馬も必ず買い目に入るようにすることで、回収率を維持することが可能になる
的中率は高くなるため、競馬を楽しみたい方には適した買い方となりますが、競馬で収支をプラスにしたい方には不向きな買い方となります。
指数1位の一頭軸とし、相手に1番人気馬を加えた場合
それでは、回収率と的中率のバランスをとることを意識し、次の条件で検証してみます。
- 指数1位の馬の一頭軸とする(回収率の向上)
- フォーメーションの3列目に1番人気馬を入れる(的中率の向上)
指数1位の一頭軸フォーメーション(3列目1人気)の回収率
狙い通り、これまでの中間的な結果となっています。
指数1位を軸にすることで全体の回収率は確保しつつ、1番人気の馬も抑えに入れることで的中率もある程度確保できており、バランスを重視したい方に適した買い方と言えます。
指数1位が1~3人気の場合
ここまでは全レースを対象としたうえでの傾向を見てきましたが、最後に対象レースを絞るとどうなるかを調べてみましょう。
今回は指数1位の馬が実力上位(1~3番人気)のレース、つまりは期待値も高い信頼できる軸馬がいる場合に限定し、的中率と回収率を確認します。
指数1位かつ1~3番人気の一頭軸 相手別回収率
上位人気でありながら期待値も高い馬を軸とするため、回収率・的中率ともに優れた値になっています。
競馬は当然ながら全てのレースを購入する必要はありません。
対象レースを絞ることも、的中率や回収率を上昇させる非常に有効な方法となります。
3連複は回収率と的中率のバランスが重要
様々なパターンについて、回収率と的中率の分析を行いましたが、いかがだったでしょうか。
全体として次のような傾向が見て取れました。
3連複は回収率だけを追い求めず、的中率とのバランスを取ることが重要です。
しかし、馬券購入のスタンスや資金力などによって、最適なバランスは異なってきます。
今回ご紹介したデータを基に、みなさまのスタイルに合わせた最適な購入方法をご検討下さい!