【スウィッチインラヴ】ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフ2025の特徴と有力馬

2025年のG1ブリーダーズカップ・ジュベナイルフィリーズターフ(BCJFT)に、日本からスウィッチインラヴが参戦します。
矢作芳人調教師とDMMドリームクラブという、2021年にラヴズオンリーユーで日本調教馬として初めてブリーダーズカップを制覇した、あの歴史的なコンビが送り出す、コントレイルの初年度産駒です。
このページでは、デルマー競馬場の特徴や、有力なライバル馬、当日のレース視聴方法などについて解説します。
「デルマー競馬場」そのトリッキーな特徴

「ターフがサーフに出会う場所(Where the Turf Meets the Surf)」という愛称で知られるデルマー競馬場は、風光明媚なだけでなく、北米で最もユニークな競馬場の一つです。
1. 北米最短クラスの「短い直線」
デルマー競馬場の最大の特徴は、そのゴール前の直線距離です。直線は約280メートルしかなく、これは北米の主要競馬場で最も短くなっています。
この物理的な制約は、レース終盤の攻防時間を極端に短縮します。求められるのは、瞬時にトップスピードに入れる「ギアチェンジ」の速さです。
2. タイトで「鋭い」コーナー
コースは1周7ハロン(約1408m)の楕円形で、コーナーは「タイト(tight)」かつ「鋭い(sharp)」と評されます。小回りであるため、騎手は早い段階での進路確保を迫られ、外を回ると大きな距離ロスにつながります。器用さやコーナリング性能が非常に重要視されるコースです。
3. 硬く、速い「高速バミューダ芝」
南カリフォルニアの気候も相まって、芝はバミューダグラス系が使用されています。馬場は硬く締まった高速馬場になるのが通例です。馬の脚への反発が強く、表面を滑るように走るスピードタイプの馬に向いています。
日本の競馬場、特に東京や阪神外回りは、長い直線で「良い脚を長く使う」能力、すなわち最高速度の持続力が問われます。
対してデルマーは、「敏捷性と戦術性が問われるトリッキーな舞台」。この根本的な違いこそ、矢作調教師がスウィッチインラヴをこの舞台に選んだ最大の理由です。
デルマー芝マイルの傾向
「直線が短いなら、先行馬が絶対的に有利」——通常はそのように考えられますが、ブリーダーズカップ・ジュベナイルフィリーズターフ(BCJFT)がデルマーで開催された過去3回、勝ち馬はいずれも「差し・追込馬」でした。
なぜ、このような直感に反する現象が起きるのでしょうか?
- ハイペースの誘発:タイトなコーナーが、騎手たちに「前へ行きたい」という意識を強くさせ、結果として持続不可能なハイペースを生み出します。
- 2歳牝馬戦の性質:キャリアが浅く未熟な2歳牝馬が、大舞台の雰囲気に飲まれ、序盤から激しい先行争いを演じやすい。
- ヨーロッパ勢の存在:ヨーロッパの馬は、後方で脚を溜め、終盤に強烈な末脚を繰り出すスタイルで調教されていることが多い。
これらの要因が組み合わさることで、先行馬が最後の直線で失速する「ペース崩壊」が起こりやすくなります。その結果、物理的に短い直線が、失速する先行馬と勢いをつけた差し馬にとっては、実質的に「長い」直線に感じられるのです。
スウィッチインラブの強力なライバルたち
日本時間の10月28日に枠順が確定し、スウィッチインラヴは6番枠で出走となりました。
| 馬番 | 馬名 | 生産国 | 騎手 |
| 1 | Ultimate Love | USA | John Velazquez |
| 2 | Queen of Hawaii | IRE | Dylan McMonagle |
| 3 | Imaginationthelady | USA | Lanfranco Dettori |
| 4 | Infinite Sky | USA | Flavien Prat |
| 5 | Final Accord | CAN | Jose Ortiz |
| 6 | Switch in Love | JPN | Ryusei Sakai |
| 7 | Celebrity Warrior | USA | Luis Saez |
| 8 | Brave Deb | USA | Mirco Demuro |
| 9 | Time to Dream | USA | Irad Ortiz, Jr. |
| 10 | Balantina | IRE | Oisin Murphy |
| 11 | Ground Support | USA | Adam Beschizza |
| 12 | Pacific Mission | GBR | Colin Keane |
| 13 | Precise | IRE | Christophe Soumillon |
世界中からエリートが集うこのレース。スウィッチインラヴのライバルとなるであろう馬を紹介します。
欧州の絶対的王者:Precise (IRE)
- 陣営:エイダン・オブライエン厩舎(アイルランド)
- 戦績:5戦4勝。フィリーズマイル(G1)、モイグレアスタッドS(G1)と、G1を2連勝中
- 特徴:レースの断然人気が予想される欧州2歳女王。その末脚は圧倒的で、レーシングポストレーティング(RPR)は114という世界トップクラスの数値です。最大の武器は、フィリーズマイルを良馬場で圧勝した爆発的な瞬発力です。
- 懸念点:デルマーの硬く速い馬場への適性が未知数です。
アメリカ勢の刺客たち
Time To Dream
デビューから3戦2勝。サラトガ競馬場のP. G. Johnsonステークス(L、芝1 1/16マイル)を5馬身差で圧勝し、デビュー2連勝を飾りました。前走のG2での敗戦も「不利がなければ」と思わせる内容で、能力はG1級です。
Ground Support
G2ミスグリロステークスを逃げて完勝。今回のメンバー構成で明確な逃げ馬の1頭で、スウィッチインラヴとのハナ争いとなる可能性があります。
Ultimate Love
デビューから3戦3勝の無敗馬。セリマステークスでは、最後の3ハロンを34秒80、最後の2ハロンを23秒03という素晴らしい瞬発力を見せて圧勝しました。Preciseと同じく、強力な追い込み馬です。
Infinite Sky
G2ジェサミンステークスで2着でしたが、スタートで出遅れ、内に寄られて後退したという致命的な不利を被っていました。その不利を克服して勝ち馬から1馬身差まで迫った内容は、計り知れない潜在能力を示しています。
スウィッチインラヴの可能性と戦略

強敵揃いの中、スウィッチインラヴはどのような勝算を持って挑むのでしょうか。
スウィッチインラヴの戦績
| 項目 | 2歳新馬 | 野路菊ステークス(OP) |
|---|---|---|
| 開催日 | 2025年8月17日 | 2025年9月20日 |
| 競馬場 | 中京 | 阪神 |
| 距離(馬場) | 芝1600m(良) | 芝1600m(良) |
| 結果 | 1着/9頭 | 2着/6頭 |
| 走破タイム | 1:36.2 | 1:34.1 |
| 騎手 | 坂井瑠星 | 坂井瑠星 |
デビュー戦(中京)は、ハナ差ながら坂井瑠星騎手が「余裕がありましたし、楽勝でした」とコメントするほどの完勝でした。
2戦目の野路菊ステークス(阪神)では、小頭数で前に馬を置けない状況の中、抜群のスタートを切ったことで逃げる展開となり、生来の前向きな気性が裏目に出て2着という結果になりました。しかし、勝ち馬に次ぐ上がり2位のタイムを記録し、3着馬には4馬身もの大差をつけました。
世界クラスの血統:米国G1スプリンターの血
彼女の血統は、この挑戦を遺伝的側面から強力に裏付けています。
- 父:コントレイル
- 言わずと知れた無敗の三冠馬。矢作厩舎が管理した歴史的名馬です。
- 母の父:ガリレオ
- 欧州の芝適性と底力をもたらす、21世紀最高の大種牡馬の一頭です。
- 祖母(母の母):スイッチ (Switch)
- 祖母スイッチは、米国で活躍したG1・ダート7ハロン(約1400m)を2勝した快速牝馬です。
- さらに、ブリーダーズカップフィリー&メアスプリント(G1)に3年連続で出走し、2着、2着、3着という驚異的な成績を残しています。
なぜデルマーなのか? 矢作調教師の「戦略」
矢作調教師は、この遠征の理由を「大きな理由は馬の特徴ですね」と断言しています。
「今の日本の牝馬のG1、桜花賞や阪神JFのワンターンの直線の長い1600メートルでは厳しいかなというのを感じている。あの馬のスピードを生かすには、デルマーの小回りの芝が向いているのでは、という気持ちです」
この言葉に全てが集約されています。スウィッチインラヴは、日本の長い直線での「キレ味勝負」よりも、デルマーのようなコースで、その高いゲートセンスを活かして先行し、スピードで押し切るレースが最も適している、という戦略的判断です。
ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフの視聴方法
リアルタイムのレース映像について、残念ながら日本のテレビやグリーンチャンネルでは放送予定がありません。しかし、ブリーダーズカップ公式のYoutubeチャンネルで視聴することが可能です。

発走時間は日本時間の11月1日(土)午前8:05の予定です。
また、netkeibaでもレース中継の配信が行われるようです!
【LIVE】ブリーダーズカップ2025 1日目/スウィッチインラヴ出走│netkeiba
BCJFTに挑戦するスウィッチインラヴ

スウィッチインラヴの挑戦は、決して無謀なギャンブルではありません。馬の特性、血統、そしてレースの経験に基づき、「デルマー競馬場の芝マイル」という一点に照準を合わせた、極めて論理的な戦略です。
レースの鍵は、間違いなく「序盤の400メートル」です。
スウィッチインラヴが高いゲートセンスとスピード能力を活かして、Ground Supportなどの先行馬と無謀な競り合いを避けつつ、いかにリラックスして理想的なポジションを取れるか。坂井瑠星騎手の手綱捌きにも注目です。
最大のライバル・Preciseは、後方から強烈な末脚で迫ってくるでしょう。デルマーの短い直線で、スウィッチインラヴが彼女の追撃を振り切ることができるのか。
出資者として、日本の競馬ファンとして、スウィッチインラヴの走りを全力で応援しましょう!
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